「私も自然の一部なのだから」

3月29日の夜、私は花束と荷物を詰め込んだ紙袋を手に、無心を装い家路につきました。 駅ですれ違う人の中に、同じように花束を持っている人を見つけ、この人も今日で慣れ親しんだ職場を離れるのだろうかと勝手に想像し、見るともなく表情を伺って。 目の前に…

「ありがとう」

やはり一人では折れそうになることが、まだまだあると思います。 そんな時、正直な自分を知ってもらえている人には、ちょっとだけでも甘えさせてもらって、今その時をやり過ごすことができれば、何とかまた新しい明日を迎えられることもあります。すると、正…

「受け入れる」

「物事をあるがままの姿で受け入れよ。起こったことを受け入れることが、不幸な結果を克服する第一歩である。」 私の想いや望みに依らず、私を取り巻く世界は変わってゆく。 突き詰めてゆけば、私自身も月日と共に変わってゆくのだから、意識の主体が変われ…

スペース

昨年は、週末の入りには可能な限り日帰り温泉に出向き、翌日はさほど高くない山や森に足を運び、のんびりとした時間を過ごすことが多かった。 温泉などと聞くと贅沢なように思えるかもしれないが、その行きつけの温泉は閉館に近い時間に行くと料金も割引され…

夕暮れ時は

師走の週末。 藍鼠色の空に星がひとつ輝き始めたことに気づき、腕時計に目を落とす。 文字盤にはデジタルで「17:15」という数字が白抜きで浮き上がったが、私は「5時か…」と呟いた。 住宅街の中をゆく道はミミズのようにゆっくり蛇行し、なだらかな上り坂だ…

よせてはかえす

この半年ほど、 一人の作曲家の音楽にひたり続けている。 そのメロディーは、叙情的でありながら叙事的で、寂しさを感じながらそこに温かさを喚起させ、一つの作品の中に相反する複雑な機微を内包している。 耳から脳に届くその精緻な陰影によるものなのか、…

最近どう?

最近どう? 「最近どう?」っていうのを、友人や、少し離れた親などに向けて問うことはあるけれど、「最近どうよ」と自分自身に問うことは、あまりない。 だがこの頃、それ、しなくてよいのかな?と思うようになってきた。 自分自身の年齢によるものかもしれ…

「自分で気づけない」

私は、大切な何かを身に付けていなかった。 自分の心と身体に起こっていること。 それらを見つめる目を、それらを自分に知らせる意識を。 世界がぼんやりと歪んで見える膜の中で、ずっと宙をまさぐっていた私の足先。 それがあの時、痛みと共に底にふれた。 …

《 Jinendou 》について

私は今《 Jinendou 》という《つながるかたち》をイメージしています。 私の最初のイメージでは、《 Jinendou 》を漢字で表すと『自然道』でした。 ですが「道」は華道や茶道、武道といったようにひとつの技術を極める意味合いが強いようにも感じられました…