2023-01-01から1年間の記事一覧

夕暮れ時は

師走の週末。 藍鼠色の空に星がひとつ輝き始めたことに気づき、腕時計に目を落とす。 文字盤にはデジタルで「17:15」という数字が白抜きで浮き上がったが、私は「5時か…」と呟いた。 住宅街の中をゆく道はミミズのようにゆっくり蛇行し、なだらかな上り坂だ…

よせてはかえす

この半年ほど、 一人の作曲家の音楽にひたり続けている。 そのメロディーは、叙情的でありながら叙事的で、寂しさを感じながらそこに温かさを喚起させ、一つの作品の中に相反する複雑な機微を内包している。 耳から脳に届くその精緻な陰影によるものなのか、…

最近どう?

最近どう? 「最近どう?」っていうのを、友人や、少し離れた親などに向けて問うことはあるけれど、「最近どうよ」と自分自身に問うことは、あまりない。 だがこの頃、それ、しなくてよいのかな?と思うようになってきた。 自分自身の年齢によるものかもしれ…

「自分で気づけない」

私は、大切な何かを身に付けていなかった。 自分の心と身体に起こっていること。 それらを見つめる目を、それらを自分に知らせる意識を。 世界がぼんやりと歪んで見える膜の中で、ずっと宙をまさぐっていた私の足先。 それがあの時、痛みと共に底にふれた。 …

《 Jinendou 》について

私は今《 Jinendou 》という《つながるかたち》をイメージしています。 私の最初のイメージでは、《 Jinendou 》を漢字で表すと『自然道』でした。 ですが「道」は華道や茶道、武道といったようにひとつの技術を極める意味合いが強いようにも感じられました…